☆ 野田淳子コンサート通信 ☆
「歩きつづけて」bP5
(2002年4月発行)

野田淳子さんの魅力「感動の伝え方」 

脇田吉隆(憲法学者)

野田さんのコンサートを始めて聴いたのは、神戸だった。そのとき買ったCD『すべての人の心に花を』とコンサートが、再び「感動の伝え方」を考えることになった。二度目のコンサートは、大阪の「えん罪日野町事件支援コンサート」だった。その時には『歩きつづけて』のCDを買った。そこにも「感動」がぎっしりと詰まっていた。

その後、野田さんに『私はここにいる』のCDを送っていただいた。そこにも「感動」が一杯だった。三度目のコンサートは今年の2月17日伊丹だった。小さな娘を連れて行き、一番後ろで聴いていた。そこに集まった人たちも「感動」で一杯だったと思う。

私は、大学で憲法を教えている。学生に「最近感動したことありますか。怒りをおぼえたことはありますか。人に励まされたことはありますか。人を励ましたことはありますか。」と問いつづけてきた。そして、哲学者・三木清の『人生論ノート』やアリス・ハーズ『われ炎になりて』を紹介して、私が考える憲法学、権力の乱用への「怒り」と人権(憲法)実現への「励まし」の憲法学を理解してもらうために、「みんなで考えよう」と問題を提起して書いてもらう。いろいろな「感動」「怒り」「励まし」がある。

「Pause(パウゼ)」休憩・中休みの時間に、野田さんのCD『歩きつづけて』の最初の3曲『遠い空の下に』『今 あなたと歌う』『千羽鶴』を学生に聴かせた。

「どうしてジェット機が人の上に落ちるの アメリカの操縦士はパラシュートで逃げて だれも乗っていないジェット機が家に落ちてきたの」『千羽鶴』大変哀しい曲である。そこには大きな「考えるテーマ」がある。「怒り」があり、「励まし」があり、「人間が幸せに生きる社会」を実現させるための「社会を変える」行動がある。

野田さんの歌声は「怒り」の多い社会を、「感動」と「励まし」によって、変えることを教えている。私は野田さんの「感動の伝え方」を今後とも応援したい。

 

<シリーズ> 野田淳子と私
 難事をサラリとこなす すごい人

若林ひでみ

私と野田さんとおつきあいがはじまったのは、20周年のコンサートの実行委員になってからです。野田さんから「実行委員会に来ない?」とさそわれてふらふらといったのがはじまりでした。それから、大阪のコンサートの時は、場内アナウンスを(あまりうまくないのですがさせてもらってます)中心にスタッフをしています。

そのあと「じゅんとぴあ」でこの「歩きつづけて」の前の会報の編集をしていました。最近ではコンサートの後のCDの販売の時に大きな声を出しているのは多分私です。よく、野田さんの回りをうろちょろしていて何者だろうと思われていたんじゃないでしょうか?

もう10年以上のおつきあいになりますが、野田さんは、その間にジャズを習って唄ったり、クラシックの先生について発声の勉強をしたりと日々努力をしているのを見ていてすごいなと思います。そんな中にいろいろなこともあり、それをさらさらと乗り越えてこられたり(そんな風に見えるのですが)するところも唄に出ているのでしょうね。これからも、しつこく思われても追っかけうろうろしていきます。

私もこの何年間いろいろなことがあり、まだ、何かと落ち着いていないのですが、その中で、続けているのが対面朗読(目の不自由な人にかわって本を読むことです。/自慢ですが、大阪府から感謝状ももらっています)です。

最近は、子どものコーナーのお話の部屋で絵本や、紙芝居の読みきかせもしています。高山智津子先生のおすすめの「おっぱい」は好評です。また、お芝居も2月に「秋田実物語」に摂津市民のエキストラで出演しました。何かの催し物で役者が足りない時には声をかけてくださいね。アナウンスでもいいです。喜んでいきます。

私のライフワークは、芝居とMCと野田さんのスタッフとで、あくせくしながらもやっていきたいと思います。見かけたら気軽に声をかけてくださいね!これからもよろしくお願いします!

 

コンサートの感想

2001年11月 太秦中学校PTA(京都市)の感想文集から

・みんなちがってみんないいのだとわかっているはずなのに、いつの間にかよそのお子さんと比べようとしている自分に気がついて反省する毎日です。元気で学校に行って家に帰ってきてくれるだけで充分なのに。

・生の声はとても感動的でした。自分一人になって、心の中と話し合う時間がとても大切だと思いました。

・日本語の美しさ、響きが歌として、いっぱい心にまっすぐ入ってきます。人間の基本的なとてもシンプルなことを伝えるのはとても難しいことです。息の長い活動は素晴らしいと思います。「さくら」「千羽づる」のようにメッセージ性が強く、しかも美しいからちっとも損なわれない歌はすてきです。

・毎日の介護を今日は忘れるためにと思って来ました。時間を止めていただきました。心が安らかになれる夜をありがとう。

・思わず美声に聞きほれてしまいました 『さくら』には涙してしまいました。我が子供のことを思い、又、歌の中のお子さんのことを思い、大変感動しました。これからの活躍を期待しております。

2001年11月 引田中学校(香川県)の感想文集から

・初め、どんなことをするのかとドキドキしていたけど、野田さんの歌声が体育館の中に美しくひびいて、夢中でききました。野田さんはすごいと思った。私達がいっぱい悩んでいる事やたまっているストレスを野田さんの数々の歌でその邪悪なことが清き美しいことになったような気がしました。野田さんはいろんな話をしてくれた。うれしいことや悲しいことetc…たくさん大切な事を学んだ。“みんなちがってみんないい”という意味がわかった気がします。時間がとても速くすぎたので、少ししかきけなかったけど、少ししっている歌もあった。この日を一生忘れずに、苦しいときに野田さんの事を思い出してがんばって“生きる”という大切さをいつまでももちつづけたいと思います。 (2年)

・今まで親なんかいなくてもいいと思っていた私は、野田さんの歌とトークを聞いて親の有り難さというものがとてもよくわかりました。自分もいずれは子供を産み親という立場になる中で、今私が嫌だと思うことはしないであげよう、そして私の中にある愛情すべてを注いで育ててあげたいと思いました。 (3年) 

・野田さんの曲を聴いて心がすみきりました。詩がとてもよくてその詩を曲がなおよくひきたてていたのですごかった。元気が出たというかこれからの自信につながったと思います。私は将来「保母」さんになりたいと思っています。ぎゃく待を受けた子供達と親の作文も書きました。ぎゃく待を取り上げた曲は心の中に残りました。飛行機のやつで2人の男の子とお母さんの話はとてもつらくなりました。私とすずと小鳥とだったっけ?その曲がとても気に入りました。詩は何回か読んだけど歌を聴いてみてみんなちがう個性でちがう人間だからこそいいのであって、もし人がみんな同じだったらつまんないだろうなあと思いました。だから個性を大切に生きたいです。コンサートの後のそうじがいつもよりきれいにできた気がします。 (2年)

・野田淳子さんは、すごく明るく楽しい人で、歌声もすごくきれいだと思います。それに、そのおかげで、ぼくも歌がきがるに歌えたし、こんないい人をよんでくれてよかったと思う。このおかげでぼくの心の中の悪い心がすべて歌声のおかげですんだ心へと変わったような気がする。 (1年)

・生きていることは、すばらしいということを強ちょうしていて、これから、生きていくのに自信をもてたような気がする。今はぎゃくたいなどの話をよくきくというような話から、自分の子供の話まで、きかせてくれました。歌もすばらしかったです。特に手わでした歌が心に残っています。「あなたに出会えたこと、あなたを愛したこと?!」生まれたときの詩みたいで、すごくいいなあと思いました。もっとたくさんの人がきいて、事件とか少なくなったらいいなあと思いました。こんなにすばらしい曲、みんなにきいてもらいたい! (2年)

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